第二話 「雫」
湖についた。雨がずっと降っている。梅雨だから仕方ないけど。
ルシアは雨に濡れないように、結界を張ってくれた。これなら傘がなくても濡れずに歩ける。
あき
「今、私が住んでる所は真夏なんだ。だから梅雨だと逆戻りした気分・・」
ルシア
「時期も、時間の感覚も、里と人間界では全然違うのですよ」
あき
「そうなんだ。それにしても、雨ってどうしてこんなに憂鬱な気分になるんだろう・・・」
ルシア
「それは私も思います。雨はほどほどがちょうどいいと思いますよ」
「雨を嫌うなんて、やっぱり人間は分かんないね!!」

あき
「だ、だれ?」
ルシア
「里に雨を降らせる妖精で、名前は・・・ええと、なんていいましたっけ?」
妖精
「忘れるなー!!ルシア!!あんたとは何度も水鉄砲ごっごしただろうがー!!」
ルシア
「・・・ああ!思い出しました、雫さんでしたね。
すみません、前に一緒に遊んだ時は、50年ほど前でしたから・・」
あき
(・・・ルシアって年いくつなんだろ??)
雫
「あ!!そんなことよりそこの人間!!雨を侮辱したな~!許さないっ!!」
突然、水鉄砲で攻撃してくる雫。
だが、ルシアが魔法でバリアーを張ってくれたので、濡れずにすんだ。
雫はムキになって何度も攻撃してくるが、特に気にすることもなかった。
しばらくしたら、諦めたのか雫は攻撃を止めた。
しかし、悔しくてじだんだ踏む。
雫
「う~!雨だっていいところがあるのに!!」
あき
「そ、そうだね。長靴はいて水たまりを踏むのは楽しいよね」
雫
「そんなの、つまんないよ。妖精は飛べるし」
あき
「そ、それじゃ、水不足解消と、植物が育つところ?」
雫
「それは人間と植物にとっていいところだね~」
あき
「じゃあ、なに???」
雫
「ほら、雨の音ってずっと聞いてると落ち着くでしょ」
あき
「そうなのかなぁ・・・憂鬱になると思うけど・・・」
雫
「いいから、聞いてみてよ!」
少女は、目を閉じて、雨の音を聞いてみる。
初めはザーザーとうっとうしい音だったが、次第に慣れ、心地よい音になってきた。
ルシア
「なんだか、落ち着きますね」
あき
「うん・・・」
ルシア
「あきさんは、お母さんの事で焦っていますが、ひとまず落ち着くといいと思いますよ」
あき
「・・・そうだね」
雫
「ね?ね?雨っていいでしょ」
あき
「うん。悪く言ってごめんね」
雫
「わかればいいのさー」
機嫌を直した雫とお別れし、少女はまた、帰り道を進む。